小誌に度々御登場いただいている杉田さん（昭和９年生まれ）が、アユ料理が詰められた小箱を片手に、久しぶりに編集部を訪ねてくださいました。料理上手な杉田さんは、春はホンモロコ、夏はアユなどを自ら料理したものを届けてくださるのです。アユはいつも、二人の息子さんのどちらかが釣られたもの。今年はずっとサイズが小さかったのがようやく大きめのものが釣れたそうで、春以来の再会となりました。
今回のお品は、完璧な美しい塩焼きと、フライ用に調理した二種。塩焼きは身離れがよく塩加減は絶妙。珍しいフライの方は、門外不出の技術だそうで、姿は残っているが骨はないという逸品です。脂が香ばしく、良質なアジフライをも凌駕する美味しさなんです。久々の杉田便はとてもありがたく、家族で大喜びでいただきました。
また杉田さんは、今回も貴重な釣りの資料を持ってきてくれました。私が生まれた昭和44年頃のものや、なかには昭和７年刊の本もありました。ずっと憧れていた山本素石さんの『釣影』（アテネ書房刊）などもあります。古き良き昭和の時代の釣りの本には強い郷愁を覚えます。本の他にも、大病をされた後のリハビリ期間中にせっせと作られたという、ハエ・モロコ用のウキも見せてもらいました（かなりの数を作られたそうなので、近いうちに販売の御案内をさせてもらえるかもしれません）。古いタナゴ鉤なんかも頂戴したのでウハウハです。
次号急ぎます、すいません。