「mami吉祥寺店」の御案内

 今回、釣りとは直接関係のない話題でたいへん恐縮ですが、私(北原)の姉のお店の紹介をさせてもらいたいと思います。小誌のマスコットキャラクターであるウォルトン君誕生の経緯についてはいずれ詳しく紹介させてもらいますが、姉がいなければウォルトン君は誕生していなかったのであります。長らく会ってないので久しぶりに連絡してみたら何だか頑張ってるようですので……。

 

 姉は愛知県立芸術大学を卒業後、ジュエリーメーカーでデザイナーとして働いた後、一念発起し独立して、自身のジュエリーブランド「mami」を立ち上げていました。百貨店内のショップ出店などを経て、満を持して自身のお店である「mami吉祥寺店」をオープンしたのですが、それがコロナ蔓延直前という最悪のタイミングに当たっちゃったんです。せっかくの路面店なのに、お店の前を誰も歩いてくれなくなるという……。

 

 姉と私は幼少期、神戸の須磨、一の谷で育ちました。源平合戦の舞台として有名な場所です。神戸から明石の海沿いをのんびり走る山陽電鉄の須磨浦公園駅からはロープウェイが出ており、終着地の須磨浦山上遊園には明石海峡の雄大な姿を見渡せる展望台があります。ロープウェイから東側を見下ろすと広がっている濃密な緑の斜面が、一の谷です(鉢伏山の近くです)。

 

 半世紀前、一の谷で私たち家族が住んでいたアパートの裏に、地元では「南洋植物園」と呼ばれていた小さな植物園がありました。その植物園にはとても大きなドーム型の温室があったんですが、ドーム内の空気はムンムンとし南国の植物がたくさん茂っていました(ビートルズの『ぺーパーバックライター』のMVをユーチューブで見ていたらそっくりなドームが出てきて胸がキュンとなります)。園内のドーム横には小さな池、近くには芝生の庭があり、その庭の石段を上がると元は西洋人が建てたという小さな洋館があって、管理人のおじいちゃん方がお昼休みに弁当を食べたりしていました。その庭の入り口の門はまたもやビートルズにゆかりの深い「ストロベリーフィールズ」の門と本当にそっくり。大昔の一の谷で、古きよき神戸の西洋的な雰囲気を、ギリギリ体感できたのではないかと思っています。

 

 南洋植物園は正に、子供の王国。〝明るいムーミン谷〟みたいでもありました。園内の池にはヒキガエルの真っ黒なオタマジャクシがたくさんいるのですくって遊んだり、ハンミョウを網で狙って喰い破られて手を噛まれたりしながら、とにかく姉を含む近所の子供達と狂ったように遊びまわる、浮き世離れした日々でした。ふと見上げれば山間をロープウェイが昇っていき、アパートの2階の部屋からは淡路島と須磨をつないでいた小さなフェリーが青い波間を漂うのが見えました。今考えたら、我々が当たり前のように遊びまわっていたのは民間経営の植物園の私有地内ですが、近所のよしみでお目こぼしいただいていたのでしょう。なんとも大らかな時代で、当時の大人方には感謝しかありません。

 

 現在私が釣りが好きでこんなことをしているのは、適度に美しい自然が身近にある環境で育った影響が大きいです。しかし姉はというと特にアウトドアが好きではなかったと思うんですが、気付けば自然界をモチーフにした作品作りをしています。ちなみに姉の名は磨海なのですが、〝磨〟という字は産まれた時に住んでいた須磨から取ったと、親から聞いています。

 

 もし吉祥寺に行かれることがありましたら、よろしければ一度、「mami吉祥寺店」をのぞいてみてください。なお、時々は店頭にいるらしい本人は釣りのことは全く知りませんので御注意くださいませ(笑)。大切な人へのプレゼントなど、もし本当に気に入ったものがあればよろしくお願い申し上げます。ついでに、試しに挑戦したらしいクラウドファンディングも併せて紹介しておきます。すいません、よろしくお願い致します。

 

●クラウドファンディング→https://camp-fire.jp/projects/view/501414

●Instagram→https://www.instagram.com/mami.jewelry/